@Swishwood 琥珀色の液体で満たされたアルマイトのカップを両手で抱えると、じんわりと熱が凍った指に伝わった。「こいつはな、坊主。俺たち漁師のとっておきよ」冬の海。初めて父が船にのせてくれた日。あの時飲んだコーヒーの味は、いつまでも僕の魂に刻まれている。

@Swishwood 神殿は角砂糖の上にあった。腐った大理石の階段には、熟れた柘榴がいくつも落ちて血のような染みをつくっていた。神殿には人影が無く、ただ首のない神像が一柱据えてあるだけだった。やがて空から土耳古産の茶色い雫が降り注いだ。角砂糖は溶け、神殿は珈琲の海に溶けて消えた。

神殿は角砂糖の上にあった/ はまりー 神殿は角砂糖の上にあった

やっと珈琲が沸いた。適当にドリップしただけだから味とかは気にしない。カフェインの補給だ。

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